FX詐欺は弁護士に相談できる?詐欺の手口や相談の流れを解説

FXは少額の投資から始められる上、大きな利益を得られる可能性があり投資初心者にも人気の高い金融商品です。

そんな中、「絶対に儲かる情報がある」、「未公開のFX必勝自動売買ツールを先着〇〇名だけに教えます」などと甘い言葉で誘い、お金を騙し取る「FX詐欺」が増えています。

今回はFX詐欺にあった場合、弁護士に相談できるのかを詐欺の手口や流れとともに解説します。

「もしかしてFX詐欺かも」と詐欺被害に不安がある方は是非参考にしてください。
【この記事でわかること】

  • FX詐欺によくある手口
  • FX詐欺について弁護士に相談する際の流れ
  • 相談前に必要な準備とは
  • FX詐欺の弁護士相談についてのよくある相談と答え

編集部
SNSやマッチングアプリでの被害件数が急増中。絶対に避けるべき「国際ロマンス詐欺」の実態をこちらの記事で解説
「全財産どころか借金まで背負わされる国際ロマンス詐欺とは」>

FX詐欺のよくある手口


近年コロナ禍による経済不安などから資産形成に興味を持つ人が増えています。

FX投資は少額から始められることから、投資初心者が始めやすい金融商品と言われていますが、投資初心者を狙った「FX詐欺」の被害が増えているとも言われており、注意が必要です。

ここではFX詐欺によくある手口4つを以下にまとめましたので、FX被害に遭わないよう覚えておきましょう。

FXのセミナー動画などの情報商材を売りつけられる

FXの仕組みを簡単に言うと、証拠金(保証金)を業者に預け倍率を設定した上で外貨を購入し、為替相場の変動を見て売却して差額を利益として得るというものです。

仕組みだけ見ると簡単そうですが、為替相場は24時間絶えず変化しているため売り時や買い時の判断がわかりにくいことや、資金決済の仕組みを理解するのに時間がかかることから、初心者が独学ではじめるのは難しいと言われています。

そこで初心者をターゲットに「FX必勝セミナー」「これさえ覚えておけば損しない」などと謳ってセミナー動画や情報商材を売り付ける手口が多く見られています。

FX取引に「必ず勝てる」保証はなく、甘い言葉で購入させる情報商材は全く意味のない内容が多いため購入はおすすめできません。

必ず儲かる自動売買ソフトを売りつけられる

FXにおける為替レートは常に変動しているため、買い時売り時を見逃さないためには常にレートをチェックしなければなりませんが、現実的には難しいため「自動売買ツール」を利用するという方法があります。

自動売買ツールは自分で条件を指定して、条件に合致したときに自動で売買するシステムです。

FX詐欺師は「絶対黒字になるよう計算してくれるツールがある」「優良自動売買ツールの無料モニターに当選しました」など知人から詐欺話を持ちかけられる以外にも、SNSやメールで誘ってくるなどの手口が使われています。

自動売買ツールを合法的に利用し利益を得ている人もいますが、複雑な条件設定には豊富な知識と経験が必要なため実践できるのはごくわずかなFX投資家に限られていますし、苦労して構築したシステムを簡単に他人に教えることは考えにくいでしょう。

詐欺師の使う「何もしなくても必ず儲けられる」などという言葉は100%詐欺だとしっかり覚えておきましょう。

海外の取引口座を開設・入金を要求される

近年コロナ化の影響で出会いの方法が変化したことで急増している詐欺のひとつに「国際ロマンス詐欺」があります。

SNSやマッチングアプリで知り合った外国人と恋愛関係になり、結婚生活のためにFX投資瀬資産形成しようなどと誘ってお金を騙し取る詐欺を言いますが、お金を騙し取るのに海外のFX取引口座を利用する手口が増えています。

国際ロマンス詐欺には海外の取引会社と提携している組織的な犯行のケースも多くみられており、口座開設と入金させて報酬をもらうといった詐欺が増えています。

口座開設先の取引会社自体が偽物であるため、被害者は入金後一定期間うまく運用できているように情報を見さられ入金を増やし続けますが、画面上に数字を見ているだけで実際にはさなざまな理由をつけられ出金できないという特徴があります。

突然連絡が取れなくなる

紹介やメールによる勧誘などですすめられたFX取引会社指定の口座を開設し入金すると、はじめはさも運用がうまくいっているかのように見せかけ利益が出ます。

そこで出金しようとすると、「あなたならもっと大きな利益が出るから出金せずさらに投資した方がいい」などと出金させずに入金額を増やすよう誘導したり、出金手続きにはクレジットカードの情報が必要などといって個人情報を盗用するなど上乗せ被害に遭う可能性があります。

そこで入金や情報提出を拒否すると、突然連絡が取れなくなり音信不通になるパターンが多く見られます。

連絡が取れなくなってから取引会社について調べると、住所や電話番号は存在せずHPや取引画面も偽物であるとわかりますが、この時点ではもう出金することはできなくなっており、連絡手段が一切ないという手口で海外業者に多いと言われています。

FX詐欺は弁護士に相談できる -相談の流れを解説-


FX投資詐欺被害にあったと気づいたら、被害回復のためには返金請求ができる弁護士に相談することがおすすめです。

ここでは弁護士に相談するときの実際の具体的な流れについて解説します。

一般的に弁護士への相談は以下の順番で行われるケースが多いため、参考にしてください。

ネット詐欺を取り扱う弁護士事務所を探す・選ぶ

まず、相談先の弁護士事務所を選ぶのに必要なのは「FX詐欺を得意とした弁護士事務所」かどうかです。

弁護士は民法と刑法など全ての法律に関するプロフェッショナルですが、それぞれ得意分野がありますのでFX詐欺被害に遭った場合は「ネット詐欺」を主に担当している弁護士事務所を探しましょう。

先述した中でも少し触れていますが、FX詐欺は「国際ロマンス詐欺」の一環となっているケースのあるため、ネット詐欺全般を扱う弁護士事務所に相談するのがおすすめです。

弁護士事務所は病院のように専門診療科がはっきり提示されているわけではないので、どの事務所がどういった案件を得意としているかはわかりにくいのですが、弁護士事務所のHPの記載内容を調べたり、直接問い合わせることで「ネット詐欺」を得意としている弁護士事務所を選びましょう。

相談の予約を入れる

相談したい弁護士事務所が決まったら、相談予約しましょう。

弁護士の相談はほとんどの場合予約制で、相談時間も1回30分などと時間が決まっていることが多いでしょう。

そのため「いますぐ相談したい」と直接事務所に出向いても相談を受け付けてもらえない可能性があります。

まずはHPなどから予約方法を見て、自分が希望する日時に相談できるよう予約しましょう。

弁護士事務所の中には「24時間予約受付可能」や「LINEで予約可能」なところもありますので、活用してみることもおすすめします。

FX詐欺の相談をする

実際に弁護士と対面して相談するとなると、緊張して聞くべき事が聞けないかもしれません。

また、1回の相談で全ての情報を伝えて解決方法を提示してもらうことは難しいため、「被害の概要を伝えて費用の見積もりをもらう」「聞かれたことは包み隠さず話す」ということをポイントに相談しましょう。

弁護士に被害回復を依頼すると費用がかかりますが、必要な費用は弁護士事務所の費用設定や事件の内容によって変わってきます。

そのため被害回復について具体的に望む事を明確にしておく事が重要です。

例えば返金を希望する場合、全額なのか半額でもいいのか、返金よりも逮捕による刑罰を重要視するのかなどによっても弁護士の対応が変わるため、最終目標はしっかり持っておくことをおすすめします。

また、被害回復のためには弁護士との信頼関係が重要です。

依頼者が自分に有利になるよう嘘をついていると、嘘が発覚した際大きな損害が発生する可能性があり弁護士側から契約解除や解除に伴う不利益の請求を受けることもありますので、弁護士に聞かれたことはどんなことでも正直に答え、嘘をついたり隠すことはやめましょう。

相談料を支払う

弁護士へ被害回復依頼する場合、費用は段階に分けて支払う必要がありますので覚えておきましょう。

まずは「相談料」です。

これは実際に被害回復依頼するしないに関わらず発生しますので、相談時毎回前払いなどで支払うこともあります。

弁護士事務所の中には「初回相談無料」や「相談料無料」と設定されているところもありますので、相談予約の際などにチェックしておくといいでしょう。

そして、依頼して契約した場合は「着手金」の支払いが必要です。

着手金は契約が締結されると発生し、依頼内容の成功いかんにかかわらず支払いが必要で一般的に返却されることはありません。
その後は必要経費の追加などが発生する可能性もありますが、事件が解決して依頼が終了した時に「成功報酬」を支払って終了です。

細かい費用設定や成功報酬の割合などは契約の前にしっかり聞いておき、できれば複数の弁護士事務所から見積もりをもらい比較できるといいでしょう。

FX詐欺を弁護士に相談する前に - 相談の前にすべき準備-


FX詐欺被害に遭ってお金を振り込んでしまった場合、被害回復のためにはなるべく早く弁護士に相談するのがおすすめです。

しかしなるべく早くとはいえ被害直後の混乱した状態で相談に行っても、事件の概要や流れがきちんと説明できなければ弁護士側も動きようがありませんので貴重な時間を無駄にしてしまいかねません。

相談前にすべき準備を以下にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

取引相手とのメール・LINEなどのやり取りを残しておく

FX投資詐欺には詐欺業者とのやり取りが発生します。

知人や友人などの紹介者を介していることもありますが、事件に関わったと思われる人とのやりとりは証拠として残しておく事が大切です。

メールやLINEなどでの個人のやり取りは相手のアドレスやアカウントも記録し、保存するか印刷するなどしてしっかり手元に持っておきましょう。

「これは関係ないだろう」と自分では思っていても、弁護士から見たら重大な手がかりになるやり取りもあります。

自己判断で不要とせずに、全てのやり取りを残しておいて弁護士の視点で判断してもらうことをおすすめします。

口座への入金日時・金額などお金に関する記録も整理しておく

FX詐欺被害に対して返金要求する場合、最も大切なのがお金のやり取りの証拠です。

実際にお金を送ったという証拠がなければ返金請求することはできないので、以下の内容は必ず残しておいていつでも提出できるよう準備しておきましょう。

「送金先口座への入金日時が記載された明細」
「送金先の情報(銀行口座、電子マネーの送付先など)」
「入金金額」
「送金手段(現金手渡し、口座振込、電子マネー決済など)」
「お金を要求されて、受け渡しを指定された詳細な状況がわかるメールやLINEのログ」

ここまでまとめておくと弁護士側で情報が整理しやすくなるため対応がスムーズになります。

また、不足していて追加が必要な情報もわかりやすくなるため、より確実に被害を証明するための手段が取利安くなるでしょう。

詐欺師側には弁護士に相談することを言わない

FX詐欺を持ちかけてきたのが知人や友人の場合、できれば自分でなんとかしたいと思うのは当然でしょう。

しかしそこで相手に「弁護士に相談している(もしくはしようと思っている)」伝えてはいけません。

詐欺を持ちかけた相手に危機感を与えてしまい、逃げられてしまう可能性が高いからです。

相手が組織的な犯罪グループに属していた場合、逃げる手段や証拠隠滅の方法は用意されているため「弁護士と通じている」と言った途端、連絡が取れなくなって消息不明になってしまっては返金請求する事ができません。

詐欺師に気づかれないように、確実に証拠を集める事が重要です。

FX詐欺の弁護士相談についてよくある質問


FX詐欺被害に遭ってしまった場合、相談先は弁護士をおすすめしますが、相談料の相場や警察とどちらに相談した方がいいのか迷っているなど、気になることは多いでしょう。

ここではFX詐欺の弁護士相談について、よくある質問と答えをまとめましたので、相談を件といしている人は参考にしてください。

弁護士への相談料の相場はいくらくらい?

「成功報酬200万」など弁護士を題材にしたドラマや小説の中には弁護士が高額な報奨金をもらっているような表現も目にする事があります。

そのため「弁護士費用は高額」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。

実際に成功報酬の相場を旧日蓮弁基準から見ると、訴訟によって得られた経済的利益の2〜16%とされています。

従って経済的利益が1000万の場合、16%の成功報酬で160万円となりますし、経済的利益が100万の場合、2%では2万円となります。

すなわち経済的利益が多いほど成功報酬が大きくなるため、どのくらいの返金請求で実際いくら返ってきたかで変動しますので、一概に弁護士費用は高いとは言えない場合もあります。

また、相談料に関しては「初回無料」や「30分無料」、など最初の相談貸しやすい弁護士も多いため、費用が心配な人はまず無料相談できるところを複数まわって見積もりをもらいましょう。

その中で自分が支払える金額と弁護活動内容に納得いく弁護士を選ぶことをおすすめします。

相談の予約は電話でする?

近年インターネットの一般への普及が進み、さまざまな手続くがインターネット上で完了できるようになっています。

弁護士への登壇予約も同様で、HPから直接予約がとれるところや、LINEで24時間予約受付しているところもあります。

そのため予約方法は電話だけに限りません。

しかし、電話予約では弁護士事務所の対応を声で感じる事ができます。

電話の応対が丁寧だったり、予約から相談までの流れの説明がわかりやすいというのは信頼度が上がるポイントですので、初めての弁護士依頼に不安がある人はあえて電話予約してみるのもいいでしょう。

警察への相談は有効ではない?

FX詐欺は証拠がしっかり揃っていればれっきとした犯罪として立件できます。

犯人逮捕や専門捜査には警察の介入が必要ですので、弁護士への相談と並行して警察へ被害届を出しましょう。

ただし詐欺事件は相手の身元がわからなかったり、はっきりと「騙された」という立証が難しいため被害届が受理されにくいという現実があるようです。

そのため、確実に被害届を受け取ってもらえるよう弁護士にアドバイスしてもらい、証拠を揃えることをおすすめします。

まとめ:FX詐欺かな?と思ったらすぐに弁護士に相談しよう


FX詐欺被害に遭ってしまったら、被害回復のためには詐欺師に逃げる時間を与えないよう一刻も早く弁護士に相談することをおすすめします。

友人や家族は話を聞いてくれるかもしれませんし、警察は犯人逮捕のために捜査してくれるでしょうが、お金を返してもらえるよう動けるのは弁護士だけです。

専門の法律の知識と相談実績が豊富な弁護士に依頼し、1日でも早く被害回復できるようにしましょう。

おすすめ記事一覧
おすすめの記事