
FX(外国為替証拠金取引)自体は合法な金融商品です。
自分の生活に影響しない程度の金額で運用する限り何ら問題はありません。
しかし、FXをを悪用した詐欺も多発しています。
代表的なFX詐欺の手口と、被害にあった時の現実的な対応をわかりやすくまとめました。
FX詐欺の手口1.自動売買ツールを買わせる
自動売買ツールとは、自動で為替売買をしてくれるように作成されたプログラムのことです。
有名トレーダーやFX会社が作成して販売しています。
これ自体はFXと同様、何ら違法性がある商品ではありません。
欠陥だらけのツールを売りつけられることも
しかし、自動売買ツールの質は千差万別です。
100%とまではいかないまでも、高い勝率をたたき出す自動売買ツールもある一方、「代金を返して欲しい」と言いたくなるほど質が低いものもあります。
以下のようにきわめて粗悪な自動売買ツールを高額で売りつけられる手口もあるので、注意しましょう。
- 勝率が安定しない
- システムが未完成でしょっちゅうエラーが起きる
- 最低注文可能数量、最低証拠金が不当に高く設定されている
FX詐欺の手口2.FX必勝法を教えると持ちかける
FXを含めた投資関連のセミナー、スクール自体は珍しくありません。
相応の実務経験がある専門家が講師を務めていて、生徒の受講後の投資成果も上々というセミナー、スクールももちろんあります。
しかし、セミナー、スクールも実はFX詐欺の温床になっているのです。
粗悪なセミナー、情報商材には要注意
「これだけやればFX常勝」など、現実的にはあり得ないうたい文句をつけた粗悪なセミナー、情報商材を販売するという手口のFX詐欺も存在します。
既にFXの経験がある人なら「いや、ここで言っていることおかしいでしょ」と不審な点に気づけても、まったくの初心者であれば気づけないのは珍しくありません。
不審かつ粗悪なセミナー、情報商材を不当に高い値段で購入してしまい、後から「もしかしたら、あれは詐欺?」と気づいても遅いので気をつけましょう。
セミナーや情報商材の購入を検討している際は、運営会社や講師の口コミをチェックし、「値段に見合った内容なのか」を必ず確認するのをおすすめします。
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FX詐欺の手口3.偽の取引所に誘い込む
FXの取引には、顧客とFX会社が直接取引をする「店頭FX」と、取引所を介して取引をする「取引所FX」があります。
日本でも取引所FXの1つとして東京金融取引所が「くりっく365」を提供していることからもわかる通り、本来であれば合法です。
しかし「架空の取引所」をでっちあげる手口で詐欺を働く輩も残念ながらいます。
さらに重大な詐欺へと巻き込まれるケースもある
架空の取引所に誘い込み、お金や個人情報をだまし取るのが、詐欺師たちの本当の目的です。
そして、このタイプのFX詐欺の場合、既に触れた自動売買ツールやセミナー・情報商材の場合とは違い、さらに重大な犯罪への入口になる可能性が高まります。
個人情報を抜きとることができる以上、その情報を犯罪組織に売り渡すことも可能です。
売り渡された情報が原因で、国際ロマンス詐欺などさらに重大な犯罪に巻き込まれるおそれも高いので気をつけましょう。
FX詐欺の被害に遭わないためには?
ここで紹介した以外にも、さまざまな手口でFX詐欺は行われています。
100%被害に遭わないようにすることは不可能ですが、被害に遭う確率を下げる方法を教えましょう。
不用意なやり取りはしない
もっとも大切なのは「不用意なやり取りはしない」ことです。
婚活中だったり、同じ趣味を持っている人と交流したかったりなどの理由で、SNSやマッチングアプリを使うこと自体は構いません。
しかし、以下の不穏な動きを見せた場合は、警戒しましょう。いっそ、その場でブロックして以降はやり取りしないのも手段の1つです。
- いきなり「FXに興味ある?」と言い出す
- 「私、これ使って負け知らずだよ」とセミナーや自動売買ツールの話をする
- 「必ずもうかるから」と取引所を通じた取引の話をしてくる
FX詐欺の被害に遭った場合はどうすべき?
慎重に対処すればFX詐欺の被害に遭う確率は減らせますが、詐欺師の手口があまりに巧妙だった場合はその限りではありません。
早い段階で適切な対処をしましょう。
最後は弁護士に相談を
詐欺被害というと、国民生活センターや消費生活センターへの相談を考える人が多いかもしれません。
しかし、これらの機関の基本的な役割はあくまで相談です。
解決に向けた情報の提供はしてくれますが、詐欺師と交渉をしてくれるわけではありません。
詐欺師と交渉し、被害額の返金や個人情報の消去など、具体的な解決に向けて動いてくれます。
また、弁護士を選ぶ際も、詐欺事件の扱い実績の多さを基準にしましょう。