【体験談】国際ロマンス詐欺の詐欺師にとってコロナ禍はチャンス!

インターネットを利用した他の詐欺と国際ロマンス詐欺の大きな違いは、ターゲットの人数です。不特定多数にメールを送り付けて誰かが引っかかればラッキーという他の詐欺とは異なり、国際ロマンス詐欺の場合にはひとりのターゲットに時間と手間をかけます。

そして、恋愛感情を持たせてから金銭の要求をするので、他の詐欺と比べて被害額が大きいことも特徴的です。

詐欺師に対して「好き」という感情を持ち、結婚前提という設定に入り込んでしまうと、当然会いたいという気持ちは日に日に増していくでしょう。しかし、会わないでいかに金銭を手にするかが詐欺師にとっては重要なのです。

新型コロナウイルスによって出国も入国も困難な状況は、詐欺師にとっては願ったり叶ったりといえるでしょう。

国際ロマンス詐欺の被害に遭わないためには、実際にどのような詐欺なのかということと、具体的な対策を知っておくことが大切です。

編集部
SNSやマッチングアプリでの被害件数が急増中。絶対に避けるべき「国際ロマンス詐欺」の実態をこちらの記事で解説
「全財産どころか借金まで背負わされる国際ロマンス詐欺とは」>

国際ロマンス詐欺に共通する手口とは

一言で「国際ロマンス詐欺」といっても、その手口はさまざまです。しかし、共通していることは、結婚をちらつかせて「困ったことが起きたから送金してほしい」と金銭を要求してくるということです。

このときのキーワードに「治療費・弁護士費用・関税・移動費」などが挙げられます。たとえ結婚を前提とした恋人でも、このような名目で援助を求められた時には注意が必要です。

では、実際にあった手口をご紹介しましょう。

Facebookから始まった国際ロマンス詐欺

国際ロマンス詐欺はFacebookやInstagram、またはマッチングアプリで繋がることから始まります。今回は、実際にFacebookで被害にあった方がどのように騙されたのかをご紹介します。

詐欺の流れ
  1. Facebook上で連絡がある
  2. 同情しやすい身の上話が送られる
  3. お金の振り込みを要求される
  4. 郵便局で窓口の人に相談する
  5. 詐欺だと発覚
  6. 振込んだお金を取り返せるかは不明

仮にAさん(女性)としましょう。AさんはFacebookに友達申請は来ても、普段は知らない人からの申請は拒否していたそうです。ある時に知らない外国人男性から友達申請が来て、その時はなぜか承認しました。

そもそもSNSは知らない人と繋がることが特徴のひとつでもあるので、知らない人からの友達申請やフォロー、コメントに問題があるわけではありません。問題があるのははそこから先です。Facebookでは交流しにくいからLINEのIDを教えて欲しいと言われ、Aさんは教えてしまったのです。

LINEのIDを教えると、会ったこともないその男性からは毎日のように熱烈なメッセージが来るようになりました。その男性はアメリカ軍の兵士で奥さんとは死別、一人娘は全寮制の学校に行っているとのこと。近々アメリカ軍からは引退することになっており、軍から退職金がもらえるが置き場所がないと言うのです。

そのお金をAさんに送るので、その費用を出してほしいと言われたそうです。女性は少し不思議に思ったそうですが、郵便局に行きATMからまず50万円を送金し、不足分を再度送金しようとすると1日に送金できる限度額を超えていると表示が出て窓口へ。

郵便局の職員は詐欺を疑って警察に通報し、警察が手配して相手の銀行口座を凍結することができました。まだお金は出金されることなくそのままの状態だったようですが、戻るかどうかは不明、戻る可能性は低いとのことです。

まさか自分が詐欺に遭うなんて思ってもみなかった、とAさんは大きなショックを受け、後悔と反省をしています。

どうすれば良かったのか

やはりSNSは怖い、と思う方もいらっしゃるでしょう。SNSはどのような危険が潜んでいるのかを知り正しく利用すれば、それほど怖がる必要はありません。

このケースでの失敗は、LINEのIDを教えてしまったこと、そして最大の失敗は送金してしまったことです。送金する前に一度落ち着いてゆっくり考え、身近な人に相談すれば忠告を受けられたでしょう。しかし、忠告を素直に聞き入れられない方もいらっしゃいます。

 話しにくくても1人ではなく、友人や家族ではなく、弁護士に相談すれば少しは冷静にアドバイスを聞けるのではないでしょうか。

まとめ

恋愛感情を抱かせて金銭を騙し取る国際ロマンス詐欺では、詐欺師なのか本当に好意を持って近づいてきているのかを見分けることが困難です。

詐欺師の場合は計画的に行動するために、ターゲットが詐欺師に興味を持った段階ではなく、好きになって気持ちが盛り上がってきている時期を見計らって金銭を要求してくるでしょう。まさか詐欺とは疑いもしないで送金してしまう方もいるでしょう、また、少しは怪しいと思ったとしても、疑う気持ちを恋愛感情が上回って送金してしまう方もいるでしょう。

被害に遭ってからでは遅いです。しかし、まだ被害に遭う前だと怪しいと思ってもどこに相談すれば良いかわからないという方がほとんどではないでしょうか。

多くの事例を見てきている国際ロマンス詐欺に詳しい弁護士に相談すれば、判別できるケースが多いです。ご紹介したAさんのケースでも、送金前に弁護士に相談していれば確実に詐欺だとわかり、被害が防げたはずです。

また、どんなに経験豊富な弁護士でも、金銭の要求がない段階では、詐欺かどうかを見極めることはほぼ無理です。それほど国際ロマンス詐欺は難しいので、ひとりで何とかしようと考えないで、金銭を要求された際にはすぐに弁護士に相談することがおすすめです。

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